NHK長崎放送局の<長崎のこれから>。今回のテーマは在宅介護です。この番組はVTRの内容を踏まえて、ゲストが討論。放送中に視聴者からの意見も募ります。ジャーナリスト、在宅介護の経験者の立場から6人の論者のひとりとして出演します。
論者のメンバーは大学教授、県の関係者、NPO法人の理事長などで、どうやら女性は私ひとり。しかも、ジャーナリスト・在宅介護を経験した家族の立場からの参加も私ひとりのようですが、新たな出会いと3年ぶりに長崎を訪問できることが楽しみです。
3年前、私は長崎市内の訪問介護事業所を訪れ、ケアマネジャーに密着、利用宅も取材しました。斜面地に住む要介護1・68歳の男性は生活保護を受け、週3日の訪問介護を利用しながら生活していましたが、制度改正の混乱で一時期利用していたサービスが利用できなくなり「弱い年寄りは早く死ねと言うのか」と叫んでいました。その姿は今も忘れられません。同行したケアマネジャーが抱えていた案件はいずれも困難事例で、閉じこもり、虐待、貧困、ギャンブル依存症のケースなどがありました。
また、当時取材に伺ったとき、ある通所介護事業所の所長は「市内の事業所を右から左へ安易に転職する若者がいて、『○○君は、今はあそこの事業所で働いている』という情報も入ってくる」とこぼしていました。
番組では2006年に始まった地域密着型サービスのひとつである小規模多機能居宅介護もテーマのひとつとなるようですが、私はそもそもこのサービスの現在のシステム自体にも課題があるように感じています。
6月26日(金)19時30分~20:43
NHK長崎 長崎のこれから
「徹底討論 どうする? 在宅介護」
NHK総合テレビにて生放送(長崎県内)
内容
要介護認定率が20%に上る長崎県。施設介護から在宅介護へという流れの中、離島部や斜面地、過疎地を中心に、老々介護・シングル介護の家庭で24時間365日の在宅介護が受けられない事態が浮き彫りになってきている。原因の一つは、採算の取れない離島や過疎地に介護サービス事業者が参入できないという現実だ。加えて、介護人材の不足も深刻で、年間の離職率は17%、介護職員の実に7割が就労3年未満という側面もある。長崎県は、今後3年間で「小規模多機能型居宅介護施設」を3倍の90施設に拡充する計画を打ち出しているが、経営難や職員への負担などを考えると、本当に在宅介護の切り札になるのかが懸念されている。
番組では、以上のようなテーマで、在宅介護に関する県内外の識者の方々をスタジオに招き、VTRで問題提起をしながら、視聴者にも意見を募り、長崎の在宅介護について徹底討論する。