先日、福祉用具専門相談員指定講習会(東京都知事指定)の過程を修了 しました。
講習は、6日間連続(中1日休み)で計40時間のカリキュラムでしたが、仕事をしながら、この時間を確保するのは、なかなかハードでした。
講習を修了すれば、「福祉用具専門相談員」を名乗って福祉用具レンタル事業者などでも働けるようになるわけですが、福祉用具のエキスパートとして働くのであれば、この講習はその第一歩という位置づけでしょう。
一方 講習では祖母の介護中に知りたかったという情報がいくつかありました。
例えば、要介護者の体をベッド上で下から上へ移動させたいとき、持ち上げて上に移動させる介助者は多いと思いますが、この方法は腰を痛めることもあります。こんなときナイロンなどの素材でできたシートを体の下に敷きこみ、このシートを上に滑らせることでひとりでも楽に移動させられます。
また、ベッドから車いすなどへ移乗させる際、寝巻の下をひっぱりあげて移す人がいますが、本人の腰の部分にグリップ付きのパッドをあてがい、それをもって移乗させることで、本人も介助者も苦痛なく移乗することができる場合もあります。
このようにちょっとした小道具があることで、毎日の介護が今よりも楽になることがあります。
こうしたものは福祉用具を扱うショップやインターネット上でも購入できますが、知らない人も多いのではないでしょうか。
介護中の家族などに福祉用具について教える講習会があればと思うのですが、介護中の家族はなかなか外出できません。
ケアマネジャーなどもモニタリングが義務になっているとはいえ、サービス利用票を渡し、話して帰っていくというケースが多く、「痒いところまで手が届く」アドバイスができる人は少ないように思います。
日常生活をささえるヘルパーでも、「こうしたものを使うと少しは負担が減るかもしれませんよ」といったヒントを与えることができる人は多くはないのではないでしょうか。
福祉用具専門相談員が地域で講習をしたり、一定時間その人の暮らしをみて、「こうしたものがあると便利かもしれませんね」と助言するような積極性があるといいと思うのですが、
注文を受け、それを届けることにとどまっているケースも多いのでしょう。
仕事をこなすのではなく、知識と柔軟性と勇気を身につけ、仕事を創っていく介護職が増えることを期待します。自戒をこめてーー。